DARK SOULS™ III

DARK SOULS™ III

開発: FromSoftware, Inc.発売: FromSoftware, Inc.¥5,940
アクション

Steam レビュー

非常に好評

PlayNext レビュー

「死ぬ」という体験がここまで気持ちいいゲームを、私は他に知らない。ダークソウル3は、プレイヤーを何度も何度も殺すゲームだ。しかしその死の一つひとつが、次の挑戦への燃料になる。「あの攻撃をさばければ勝てた」「もう少しスタミナを残しておけばよかった」——敗因が明確だからこそ、悔しさよりも「もう一度」という衝動が勝る。これがフロム・ソフトウェアの作り上げた、唯一無二の緊張感の源泉だ。 戦闘の手触りは、シリーズの中でも群を抜いて洗練されている。前作「ダークソウル2」と比べると動作がより機敏になり、ローリング回避のタイミングがよりシャープで直感的だ。重厚なグレートソードを両手に構えて押し潰すような戦い方もできるし、細身のレイピアで敵の隙を突くような技巧派スタイルも機能する。本作から導入された「戦技」システムがここに深みを加えていて、武器ごとに固有の特殊アクションが設定されている。たとえばある大剣には地を薙ぐ範囲攻撃があり、ある曲剣には連続突きがある。この戦技を組み込んだ立ち回りを研究するだけで、同じボスに何十時間も費やせる。 ボス戦の密度と質は本作の最大の魅力だ。序盤のボスですらゆるくはなく、最初の大関門となる「覇王ウォルニール」や「法王サリヴァーン」に初めて対峙したとき、その演出とスケールに息を呑んだプレイヤーは多いはずだ。中盤以降は人型の強敵が増え、まるでプレイヤーキャラクターの鏡像のような動きをする敵と対峙することになる。彼らは回避し、パリィを狙い、属性攻撃を混ぜてくる。「剣士同士のデュエル」という感覚が強く、格闘ゲームのような読み合いを純粋に楽しめる瞬間が何度も訪れる。 ビジュアルは「崩壊の美学」とでも呼ぶべき独特の様式美に貫かれている。かつては栄華を誇ったであろう城塞、今は灰と骸に覆われた街、光が届かない地下墓地——どのロケーションも、その場所の「過去の姿」を想像させるディテールで埋め尽くされている。サウンドも同様で、ボス戦のオーケストラは壮大でありながら悲嘆の色を帯びており、「戦いの高揚」と「この世界の哀しみ」を同時に感じさせる。環境音も丁寧で、遠くから聞こえる鐘の音、足元に広がる血と灰の音が、没入感を静かに底上げしている。 ストーリーはテキストを読まなければほとんど語られない、いわゆる「断片的な世界観叙述」スタイルだ。アイテムの説明文、NPCの断片的な台詞、ステージの構造そのものがナラティブとして機能する。「なぜこの世界は滅びかけているのか」「あのNPCはいったい何者だったのか」——疑問が積み重なり、攻略サイトやコミュニティの考察を読み漁るうちに、この世界の全貌がぼんやりと見えてくる。その体験こそが、多くのファンをシリーズに縛り付ける要因の一つだ。ゲームが能動的に物語を押しつけてこないからこそ、プレイヤー自身が「知りたい」と動き出す。 同じ難度系アクションと比較すると、同社の「エルデンリング」はオープンワールドの自由度と進め方の柔軟性を大幅に高めたタイトルだが、ダークソウル3は一本道に近い構成の分、緊張感と密度が凝縮されている。「セキロ」と比べると本作はビルド構築の自由度が高く、キャラクター育成の楽しさが前面に出ている。「仁王2」と比べると演出の派手さより「間合いと緊張の美学」を重んじる設計で、より禁欲的な味わいだ。フロムのソウルシリーズの中でも本作は「集大成」という位置づけで、過去作のロケーションやキャラクターへのオマージュが多数盛り込まれており、シリーズを遊んできたプレイヤーには感慨深い場面が随所に登場する。 プレイ時間はメインストーリーのクリアだけなら40〜60時間程度が目安だが、本作は周回プレイを前提とした設計になっている。周回ごとに敵が強くなり、特定のNPCイベントの結末が変わり、異なるエンディングを迎えることができる。また、武器と魔法の組み合わせによるビルド研究は非常に奥が深く、「炎の魔法特化の信仰ビルド」「毒武器を使った消耗戦スタイル」など、攻略の正解が一つではないことがリプレイ性を高めている。さらに対人戦(PvP)も充実しており、他のプレイヤーの世界に「侵入者」として乗り込む非同期オンライン要素は、独特の緊張と笑いを生む名物コンテンツだ。 注意点として正直に言えば、このゲームは「理不尽だと感じる瞬間」が確実に存在する。特定のボスの一撃が理解する前に体力を持っていき、「何をされたかわからない」ままリスポーンすることもある。序盤から中盤にかけての難易度曲線はやや急峻で、初めてソウルシリーズに触れる人が挫折しやすいポイントも多い。チュートリアルの説明は最小限で、スタミナ管理、エスト瓶の補充タイミング、矛盾を抱えたNPCイベントの進行順など、「知らないと詰まる仕様」がいくつも存在する。コミュニティや攻略情報に頼ることを恥と思わない姿勢が、快適なプレイにつながる。 アクションゲームに「緊張と解放」の体験を求める人、ビルド構築や武器研究を飽きずに続けられる人、そして「難しいからこそ達成感がある」という感覚を信じている人には、これ以上のタイトルはなかなかない。逆に、ストーリーを読み解く手間よりも明快な物語体験を求める人、ゲームオーバーのストレスを楽しめない人、短時間でサクサク進捗を感じたい人には向かない可能性が高い。ダークソウル3は親切なゲームではないが、その不親切さの向こう側に、他のゲームでは味わえない「自分が強くなっている」という確かな実感がある。
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スクリーンショット

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