Devil May Cry 5

Devil May Cry 5

開発: CAPCOM Co., Ltd.発売: CAPCOM Co., Ltd.¥2,990
アクション

Steam レビュー

非常に好評

PlayNext レビュー

「カッコいい」という感覚を、これほど純粋な形でゲームに昇華した作品は他にない。Devil May Cry 5は、アクションゲームにおける「気持ちよさ」の追求を極限まで押し詰めた一作だ。敵を倒すこと自体が目的ではなく、いかに美しく、いかにスタイリッシュに倒すかを競うゲーム——その哲学は2001年のシリーズ第一作から変わらないが、本作ではその完成度が別次元に達している。 操作の核心はスタイルランクシステムにある。同じ攻撃を繰り返すとランクが下がり、多彩な技を連続して決めることでSSS(スタイリッシュ!!!)へと駆け上がる。これが単なる評価指標ではなく、プレイヤーの行動を根本から変える設計になっている。ジャンプキャンセル、ロイヤルガード、エアハイク——テクニックを一つ覚えるたびに戦闘の風景が変わり、同じ敵との戦いが全く違うものに見えてくる。「上手くなる」という体験がこれほどリニアに、可視化された形で返ってくるゲームは珍しい。 本作の特筆すべき点は、プレイアブルキャラクターが三人いることだ。おなじみのネロとダンテに加え、新キャラクターのVが参戦する。ネロはデビルブレイカーと呼ばれる義手を使い、状況に応じて換装しながら戦う中距離型。ダンテは4つのスタイルをリアルタイムで切り替え、膨大な武器コンボを自在に操る上級者向けの構成。そしてVは、自身の使い魔に命令を下すという全く異質な戦い方をする。この三者の操作感は驚くほど異なり、一本のゲームで三種類の「アクションゲーム体験」を得られる構造になっている。 ビジュアルは現行世代の技術を余すことなく使い切っている。RE Engineによる描写は、カプコン作品の中でも特に鮮烈だ。雨に濡れた廃墟、悪魔の樹が侵食する都市、ネオンとスモークが交差するクラブ——各ステージのロケーションが持つ固有の質感が、戦闘シーンのテンポとうまく絡み合っている。キャラクターのモデルは表情の細部まで作り込まれており、カットシーンとゲームプレイの間に画質の差がほぼ感じられない。サウンドトラックはキャラクターごとに異なるテイストで構成されており、ネロのステージはメタルとオーケストラの融合、ダンテのステージはよりクラシックなロック調と、戦闘の熱量を音で加速させる役割を果たしている。特に終盤のある場面で流れる楽曲は、多くのプレイヤーが「このゲームを買って正解だった」と感じる瞬間として語り継がれている。 ストーリーはシリーズの長年の謎に決着をつける内容だが、本作単体でも十分に楽しめるよう設計されている。シリーズ未経験者でも主要な人間関係と動機は把握できるし、そこに旧作ファン向けの伏線や回収が重なる構造になっている。三人の主人公がそれぞれ異なる目的を持ち、時系列を行き来しながら一つの事件に収束していく——この語り方が、単調になりがちな直線的なゲームシナリオに奥行きを与えている。重厚なドラマではなく、あくまで「映画的なカッコよさ」を追求した作品として見れば、その完成度は高い。 似た位置づけのゲームとしてはベヨネッタやNier:Automataが挙げられる。ベヨネッタも高難度スタイリッシュアクションの雄だが、あちらはウィッチタイムと呼ばれる回避システムが中心で、防御の読み合いに重きが置かれる。対してDMC5は攻撃のコンボ構築がメインで、より「魅せるプレイ」を目指す設計だ。Nier:Automataとは世界観の重さが大きく異なり、DMC5はシリアスな場面でも根底に「ロック的な軽快さ」がある。どちらが好みかは個人差があるが、純粋な操作の深さという観点ではDMC5はこのジャンルの基準点と言える存在だ。 クリアまでのプレイ時間はノーマル難度で8〜12時間程度。ただしこれはあくまで一周目の話であり、本作の本番はクリア後に解放されるハードモード以降にある。難度が上がるにつれて敵の行動パターンが変化し、より高度なコンボと回避技術が要求される。各ミッションにはS評価取得という目標もあり、プレイタイムを自然に伸ばす仕掛けになっている。ダンテは習得できる技の数が膨大で、全てのスタイルと武器を使いこなすまでに相当な時間を要する。やり込む気になれば100時間以上の遊びごたえがある。 注意点として、スタイリッシュさを要求するゲームの性質上、序盤のうちは「自分が下手なのが露骨にわかる」体験をすることになる。ランクがDやEのまま進んでも物語自体は進むが、本来の気持ちよさに到達するには一定の練習期間が必要だ。また、過去作に比べてネロのステージが多く、ダンテをメインで遊びたいプレイヤーには少し物足りなさを感じる部分もある。 こういう人に強くおすすめしたい——アクションゲームは好きだが「上を目指す余地がなくなった」と感じている人、ハクスラやRPGに疲れて純粋な操作の気持ちよさを求めている人、映像と音楽とゲームプレイが一体となった体験を求めている人。逆に、丁寧なチュートリアルで手厚くサポートしてほしいプレイヤーや、複雑なコマンド入力が苦手な人には少々ハードルが高い。ただ、¥2,990という価格は、このクオリティのゲームとしては明らかにお得な水準だ。スタイリッシュアクションというジャンルに少しでも興味があるなら、試してみる価値は十分にある。
Steam ストアで見る →

スクリーンショット

Devil May Cry 5 screenshot 1Devil May Cry 5 screenshot 2Devil May Cry 5 screenshot 3Devil May Cry 5 screenshot 4Devil May Cry 5 screenshot 5

似ているゲーム