
BIOHAZARD RE:4
Resident Evil 4
開発: CAPCOM Co., Ltd.発売: CAPCOM Co., Ltd.¥4,990
アクションアドベンチャー
Steam レビュー
圧倒的に好評
PlayNext レビュー
銃を構え、照準を定め、引き金を引く。その一連の動作が、これほどまでに「気持ちいい」と感じさせるゲームは、そうそうない。BIOHAZARD RE:4は単なるリメイクを超え、「アクションゲームとはこういうものだ」という新たな基準を打ち立てた作品だ。原作(2005年)が当時のゲームデザインを革命したように、このリメイクは2023年代のアクションゲームの水準をもう一段引き上げた。
ゲームプレイの核心は「プレッシャーの中での判断と快感」にある。プレイヤーはスペインの田舎村を舞台に、狂気に支配された村人・ガナドの群れと戦い続ける。原作の特徴だった「止まって撃つ」スタイルは残しつつ、リメイクではパリィ(ナイフでの受け流し)、ステルスキル、近接フィニッシュといった新要素が加わった。これによってレオンの動きは明らかにアクロバティックになり、単調な撃ち合いではなく「格闘技の組み立て」に近い感覚が生まれている。敵が囲ってきたらナイフで弾き飛ばし、よろめいたところに蹴り上げてヘッドショット。この連携が決まった瞬間の爽快感は、プレイヤーに「もう一度やりたい」と思わせるループの核だ。
弾薬と資源の管理も、このゲームの醍醐味の一つだ。無限に弾薬を浪費することはできないが、かといって常に弾切れで詰まるほど厳しくもない。ちょうどいい「やりくりの緊張感」があり、商人から買う武器アップグレードをどこに投資するかというビルド思考も楽しめる。道中には宝石のはめ込みパズルや隠しルートがあり、探索すればするほど報われる構造になっている。メインストーリーを駆け抜けるだけでも満足できるが、隅々まで歩き回りたくなる引力がある。
グラフィックのクオリティは現行機最高水準の一つだ。廃れた農村の薄暗い空気感、城の荘厳さと不気味さの同居、夜の海岸に漂う緊張感――それぞれのエリアが固有の「絵の文法」を持っており、長時間プレイしても視覚的な飽きが来ない。キャラクターの表情描写も非常に細かく、特にアシュリーの怯えや安堵の表情変化は、彼女を「守るべきキャラクター」として感情的に認識させる機能を果たしている。サウンド面では、足音や環境音のリアルさに加え、BGMが「静と動」を巧みに使い分けており、何かが起きる直前の沈黙が殊更に恐ろしい。
ストーリーは原作をベースにしながら、人物の描き方と動機付けを大幅に掘り下げている。レオンは単なる無敵のエージェントではなく、過去のトラウマを引きずりながらも任務に向き合う人間として描かれる。敵側のキャラクターにも複雑な事情が与えられており、原作では記号的だったキャラクターが「なぜそうなったか」を語る場面が増えた。ネタバレを避けながら言えば、「善と悪」の単純な二項対立ではなく、それぞれの立場と信念がぶつかり合うドラマとして楽しめる。日本語ローカライズの質も高く、テキスト・ボイスともに違和感なく没入できる。
類似ジャンルとの比較で言えば、同じカプコンの「バイオハザード ヴィレッジ」と比べると、RE:4のほうがアクション寄りでテンポが速い。ヴィレッジがホラー演出と雰囲気重視だとすれば、RE:4は「戦う楽しさ」に振り切っている。また『The Last of Us Part II』と比べると、RE:4はスピーディで映画的なカタルシスが前面に出ており、「緊張の積み重ね」よりも「爽快なバトルの連続」を求めるプレイヤーに向いている。
クリアまでの時間は標準的なプレイで15〜20時間ほど。難易度は複数あり、最高難易度「プロフェッショナル」は弾薬が極端に少なくリトライ必須級の難度になる。クリア後にはボーナスステージ「マーセナリーズ」が解放され、スコアアタック的な楽しみ方もできる。武器の全強化を目指したり、チャレンジ実績を埋めたりすれば、余裕で30〜40時間以上のプレイ量がある。
気になる点を正直に挙げると、護衛対象のアシュリーをめぐるストレスが一部存在する。戦闘中に彼女を被弾させないよう気を使うシーンが多く、このギミックを煩わしく感じるプレイヤーは一定数いる。また、ホラー色は薄まっており「怖さ」を求めてプレイするなら期待と異なる可能性がある。純粋な恐怖体験を求めるなら、同シリーズのRE:2・RE:3の方が向いているかもしれない。
強くおすすめしたいのは、アクションゲームが好きで歯ごたえのある難易度とスピード感を求めているプレイヤーだ。また「映画的なストーリーを楽しみながら、ゲームプレイも充実させたい」という欲張りな要望にも応えてくれる。一方、純粋なホラーや探索アドベンチャーを期待している場合、あるいは護衛ミッション系のゲームが苦手な場合は、プレイ前に覚悟が必要かもしれない。それでも、これだけ高い完成度のアクションゲームは今の市場でも希少だ。¥4,990という価格以上の体験が、間違いなくここにある。
スクリーンショット











